あの島は、生命の輝きを取り戻させる力がある。

屋久島 珊瑚でできた浜

その島は、海に浮かんでいた。
というより、そそり立っていた、と表現する方が正しいかもしれない。
島というより、大きな岩山のようだった。

夕方、鹿児島港を出たフェリーは、夜中種子島に寄港し荷下ろしをして、朝方宮之浦港を目指し、出港した。
私は、船内にて毛布一枚をかぶり横になっていたが、なかなか深い眠りにつけず、5時には目が覚めていた。

持参したアルファ米に、船内にある自販機からお湯を淹れる。
お腹はあまり空いていないのが、島についたら山歩きが待っている。
エネルギー補給のために黙々と噛み続け、飲み込んだ。
温かい緑茶を淹れて、一息つき、歯ブラシをもって甲板にでる。
風が強く吹いている。
小雨か水しぶきなのか、からだが濡れる。

季節は10月。
南国の陽気かなと思っていたが、天気のせいか、肌寒い。
どす黒く重たい雲が上空に広がっている。
そして、正面には黒々とした、島が見えた。
そう、あこがれの屋久島だ。

今日から一週間ほど滞在する予定の島。
天気予報では雨がずっと続くようだ。
しかし、天気なんて関係ない。
この島の奥深くに潜り込んで、木々や深い苔むす森のパワーを、生命力を体感するのが目的なのだ。
気が沈みがちだったこの頃の私を、活気に満ちた存在によみがえらせてくれるはずだ。
そんな期待を抱きながら、近づいてくる島を眺め、これからの行程を思い浮かべた。

屋久島の第一印象は、岩山だった。
急峻で巨大や岩山だ。
屋久島には島のほぼ中心に宮之浦岳という、2000mを越える山がある。
はずなのだが、まるで砦のような岩山が邪魔をしていて、船からはその頂を見ることができない。




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この記事を書いた人

Hikers Guild の代表です。
自然の中を歩くことを何よりも愛しています。
歩くことの可能性をすこしでもお伝えできたらと、
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