Dear コンビニのお兄さん

その夜は、湿った雪がボトボトと落ちてくるような、深い積雪を予感させる静かな夜でした。

その頃の僕は、なにか頭の中で引っかかるものがあると、よく散歩に出かけたものです。

立ち止まっては景色を眺め、歩いてはあるテーマについて考えを巡らせました。

家の中では思いつかないような名案が浮かんだり、もやもやしていたものが晴れていったりします。

歩きながら考えるということが、僕には合っているようです。

その夜、22時を回った頃、窓から外で雪が降ってるのを確認した僕は、ダウンジャケットを羽織り、少しの小銭をポケットに入れ、長靴を履いて外に出ました。

当時住んでいたのは、天井の低い4畳半の畳の部屋。

身長が185cmほどある自分にとって、少し小さめの部屋でした。

外の空気は新鮮で、冷たく、湿っていて、こたつで温まり緩んだ体を、2月の北風が優しくなめました。

開放感があり、ひんやり心地よく、頭がスッキリしていくのを感じます。

市街地へとなんとなく数百メートルほど歩いているうちに、目的地が決まりました。

僕は海まで歩こうと決めたのです。

少し大股で、長靴のかかとを地面に軽く打ちつけながら、黙々と歩いていきます。

淡々とスピードに乗って歩く、というスタイルも好きでした。

調子が良い時は、時間の流れを感じず、疲れず、どこまでも歩いて行けるような感覚に包まれることもあります。

この時もそうでした。

海までの4時間は、あっという間でした。

途中、コンビニでおにぎりを2つと、500mlのお茶を買いました。

散歩にも食料と水分は欠かせません。

続く…

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この記事を書いた人

Hikers Guild の代表です。
自然の中を歩くことを何よりも愛しています。
歩くことの可能性をすこしでもお伝えできたらと、
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