自然界と人間界を行き来してバランスをとっている

ふと、「自然に浸りたいな…」と思うことがある。
少なくとも、1ヵ月のうちに数回は、いや1週間に一度はそう思っている。
「自然い浸りたいな…」と思うときにイメージするのは、
緑豊かな森の中や、川べりの湖のほとりで、ひとり静かに辺りをぼ~っと眺めている時間だ。

言い換えれば、「おいおい自分、それでいいのか?ちょっと立ち止まって考えようぜ」。

俺たちは、生きている間ず~っと、望んていようがいまいが、なにかしらの役割を与えられる。
たとえば、誰かの子として、親として、恋人として。
上司や部下、学生と社会人、従業員と経営者などとして。

「君はどんな人間なんだ?」と常に問いかけられている。
「俺は俺だよ。」と答えても、期待された答えにならない。
やりたくもないテストに答える日々の連続だ。
今どんな状況で、何を考え、行動し、成し遂げてきたのか、相手が納得するよう答えるのだ。
見かけで判断されることもあれば、一部を取り上げ、決めつけられることもある。
「うっせえわ」と答えたいところだが、思うだけにする。

役割を担うということは、それ相応の責任を持つこと。
責任を持つということは、(発する/与えられた)言葉と行動に一貫性を持つことだと思う。
社会的に誰かと関わって暮らしていくときに、必要なことだ。
人とのかかわりあいの中で俺たちは生きているのだから。

そんなことを、ぽ~い、と手放してみる。
簡単だ。
親指と人差し指で鼻をつまむくらい簡単だ。(今実際に試してみて。とても簡単でしょ。)
今いる場所から離れて、全く別の場所に行くだけだ。
できるだけ人気のない場所がいい。
広々として、座れる場所があるとなおよい。

川のせせらぎや葉のこすれる音、風が通り抜ける音、鳥の鳴き声、虫の羽音。
いろんな形の石、色とりどりの砂、きらめく湖面、空と雲のコントラスト、緑のグラデーション。
何も考えず眺める。
肌で風を感じる。
目をつぶり、耳をそばだてる。
思う存分、鼻から空気を吸い、口からなが~い息を吐く。
時間が経つにつれ、その空間にカラダと意識がなじんできたことを感じる。
サウナあがりのように整ってくる。

「あぁ、これこれ」と思う。
地球で生きている感覚。

そんな時、以前旅した地域のことが思い浮かんでくることがある。
感動して自然と声が出た、峠の向こうに見えた広大で乾燥した大地。
早朝目覚めて気づいた、湖の辺り一面を漂う深い霧。
疲れ果てて倒れこんだアスファルトの道路から見上げた、吸い込まれるような星空。

そして、景色を思い浮かべれば、出会った人々とのやりとりも思い出されてくる。
ヒッチハイクして乗せてくれた人。
逆にヒッチハイクをしていたか乗せた人。
温泉で話した人。
旅の途中に数日間だけ、一緒に過ごした旅の人。
身に染みる、見知らぬ人のやさしさ。

大切にしたいことがはっきりとしてくる。
霧が晴れて、視界が開けるような感覚だ。

「自然に浸りたいな..」という最初の思いは、
「よっしゃ、帰るか!」という気持ちに変わっていた。
面倒くさくて手放したいと思っていただけだ。

山を想えば人恋し 人を想えば山恋し

百瀬慎太郎という人の言葉だ。
離れなきゃ見えないものがあるということか。

やじろうべえのようだ。
人間界と自然界を行ったり来たりして、バランスをとっている。

最近、山とかハイキングに『連れてって』と言われる。
いいよと何食わぬ顔で答えた内心は、どんなサプライズをしたら楽しんでくれるかなとワクワクしている。

誰かと動いて、汗かいて、温かいもの食べて、おしゃべりする。
それだけで楽しいと心から思えるようになったのはつい最近だ。

俺が迷いながらやってきたこと、これからやっていこうとしていることは間違っていないんだなと最近思う。

自然の雄大さに圧倒される。
自然の激しさに息をのみ、おおらかさに包まれる。
自分のサイズ的なちっぽけさを知ると同時に、人間である自分の小さくない可能性に気づく。
なんだかんだ生きてんじゃんと思う。
ちょっぴり人に対して優しくなる。

今自分が属する場所だけがすべてではない。
何かを成し遂げることだけが価値を生み出すのではない。
何かを感じた、それだけでもいいじゃないか。
感じたことを誰かと共有することって、なんて素晴らしいことなのだろう。
そう思うだけで世界はどれだけ優しく、温かくなるのだろうか。
なんてことを大真面目に考えたりもする。

それじゃあまた。

いつもありがとう。

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この記事を書いた人

Hikers Guild の代表です。
自然の中を歩くことを何よりも愛しています。
歩くことの可能性をすこしでもお伝えできたらと、
そう思いこのサイトを運営しています。

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